知財・特許業界で仕事をしたい人のための応援コラム

第16回 特許業界、人材難の時代 〜 ママも活躍

 現在各方面で言われている「人材難」は、特許事務所や企業の知的財産部においても例外ではありません。単なる少子高齢化が問題なのではなく、特許業界では比較的高スペックな人材が求められることが要因だと考えられます。特許実務経験を有する弁理士や特許技術者が不足していることについてはこの十年以上変わりない状況ですが、特許事務所の事務職においても、今年に入ってからは過去に経験したことのない未曾有の人材難となっていと感じています。特許事務所における業務が今年に入って急拡大したとは考えにくいので、あくまでも推測ですが、キャリア志向の高い優秀な人材を中心に他の特許事務所へ移籍したり、外国事務で培った英語力を活かして外資系企業等に転職したりして、特許業界からの人材の流出が生じているとしか考えられません。

 弁理士や特許技術者の仕事には、技術分野の専門性に加え特許明細書作成の実務経験が必要であり、人材難といえ未経験者にとって敷居が低くなったということは残念ながらありません。これに対し特許事務職の場合、高い英語力や一般事務で身につけた正確性、迅速性、スケジュール管理能力といったものがあれば、人材難を背景に実務未経験者にも広く門戸が開かれるようになってきました。それらの資質を持った方を登用し特許事務のスペシャリストとして育てていかなければならないほど、現場は切実なのでしょう。勿論、事務職といっても特許業界では高い能力が求められますが、このコラムをご覧いただいている方の中に特許事務職にチャレンジしてみたいという方がいらっしゃれば、未経験者にとって今がまさにチャンス到来かもしれません。

 一方、最近では、私どもが運営する「知財情報局」の「転職メール相談」を通じて、子育て中の女性の方から再チャレンジに関するご相談も受けるようになりました。特許事務所で実務を経験後に結婚、退職し、子供の手が離れたのを機に再び特許事務所での勤務を希望される方々です。ただ、フルタイムでの勤務はできないという共通のジレンマを持っています。  現在、企業においては「子育て支援」ということが盛んに言われています。女性の貴重な戦力を活用していくために、小さな子供をお持ちの方に短時間での勤務を認めたり、社内に託児所を設けたりするなどがあります。しかしながら、特許事務所においては、まだ「子育て支援」のための制度が導入されているケースは少ないと考えられます。私も特許事務所の経営者の立場から、専門性が高くスケジュール管理が厳しい特許の仕事は、確かに短時間勤務という勤務形態はなじみにくいということは認識しています。ただ、特許事務所が現在遭遇している人材難の時代を乗り切っていくために、女性を活用するための各種の「子育て支援」の制度を検討すべき時が来た、という感じを受けます。私の知人にも、弁理士として、そして、ママとして、双方で素晴らしく活躍されている女性がいます。実力をつければ、自分のライフスタイルと仕事を両立させることができるのも、特許業界の魅力だと思います。
 皆さんはどのように考えますか?

[2007/08/06] 知財ナビより転載

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