知財・特許業界で仕事をしたい人のための応援コラム

第19回 「特許事務所合同求人説明会」を開催して

 去る7月20日、弁理士短答式試験合格者を対象として、資格総合スクール早稲田セミナーとの共催で「特許事務所合同求人説明会」を開催しました。

 例年、弁理士の最終合格者が発表される11月頃には、特許事務所が多数参加する求人説明会が数回開催されます。実は私も、かつては求人説明会に参加し、その時に参加していた特許事務所に入所したのです。当時は特許実務経験がなく、特許事務所がどのようなところかもよく知りませんでした。私が特許事務所への入所に踏み切れたのは、求人説明会に参加して特許事務所に対する不安が払しょくされたからに他なりません。私自身も、特許事務所と運命的な出会いとなった合同求人説明会をより多くの方に提供したい、そんな思いに駆り立てられて、今回「特許事務所合同求人説明会」の開催に至りました。強い求人意欲をお持ちの特許事務所のご参加と、都内に大きな教室をお持ちの早稲田セミナーの力添えもあり、異例とも言えるこの時期に開催することができました。

写真1:大小6つの特許事務所が参加大小6つの特許事務所が参加

 今回参加された皆さんは、弁理士を目指して学習を続け、5月の短答式試験を見事に突破された方々です。しかし、特許事務所とは、実際に採用・就職関係の話をした経験はない方ばかりです。それだけに今回の求人説明会では、受付で参加者の方にお会いした時から、その期待感を肌で感じることができました。
 当日は、歴史のある大手事務所から、設立後数年という新しい事務所まで計6事務所にお集まりいただきました。内容は2部構成。第1部で事務所側から事務所概要について説明し、第2部では各事務所が設けたブースへ自由に立ち寄ってもらい、少人数での面談や質疑応答を通じて、事務所関係者と直接コミュニケーションが図れる形式を取りました。

 第1部では、説明される先生方の服装や外見から、「特許事務所ごとのカラーの違い」を参加者の方は感じ取ったようです。具体的に言うと、スーツ姿で重厚な事務所概要冊子を使用して説明する先生がいる一方で、ラフなポロシャツ姿でパワーポイントのみで説明される先生もいらっしゃいました。前者は長い歴史を持つ事務所であり、後者は設立後数年という事務所の先生です。同じ特許の仕事と言いながらも、事務所ごとの雰囲気の違いを参加者の方々は実感したことでしょう。特許事務所の仕事は、ひとりひとりがブースで責任を持って行うものですが、同時に事務所の一員としての意識も持ち合わせています。それだけに特許の仕事は事務所の雰囲気が合わないと非常につらいと思います。その点で、今回の求人説明会は、ごく一部ではありますが、いくつかの事務所を比較できたという点で参加者の方にとってメリットがあったと思います。

写真2:事務所関係者の話に熱心に耳を傾ける参加者たち事務所関係者の話に熱心に耳を傾ける参加者達

 第2部は、採用に関して事務所から生の声が聞ける貴重な機会とあって、参加された皆さんが、身を乗り出すように事務所関係者と話されているのが印象的でした。ブースでは、各事務所が求める人物像や、入所後の教育及び研修制度などについての会話が頻繁に繰り返されていました。この第2部では80分間とっておいたのですが、終了時間が来たことを告げるのが心苦しかったくらいです。それくらい参加された方々が熱心だったのです。終了後のアンケートを見ても、第2部の時間を長くしてほしいという声が多数ありました。また、多くの参加者の方は、弁理士試験最終合格の段階で事務所を決める意向のようであり、最終合格発表時期での再度開催を求める声も多数ありました。

 特許事務所だけでなく知財業界全体として言えることは、まだ世間一般の方々には良く知られていない業界だということです。このような求人説明会の開催だけでなく、知財業界が世間一般の方々にもっと知られる存在となるための様々な努力が、今後ますます必要となるでしょう。

[2008/08/15] 知財ナビより転載

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