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転職コラム > 第2回知財分野で重要性を増す,人材マッチング・サービスの意義とは?−職業紹介事業を4月1日より開始−

私たちブライナでは,4月1日より有料職業紹介の許可を取得して,職業紹介事業を新たに開始します。就職先・転職先を希望する方ひとりひとりに対して,特許事務所や企業の知的財産部などといった知財人材が活躍できる場を,我々が個別に紹介することができるようになるわけです。今回は,私たちが職業紹介事業を始めるに至った背景についてお話ししましょう。
昨年9月に,「知財情報局」で「特許キャリア相談」を立ち上げて以来,非常に多くの方から相談のEメールをいただきました。予想以上に実務未経験者からの相談が多かったことについては,前回のコラムでも述べましたが,ここでこれまでに寄せられた相談内容を,転職希望者の段階に合わせて整理してみます。最初は,『特許業界に興味を持った』という段階の方々からの相談。特許業界での仕事内容がまだよく見えていない方々です。「どのようなスキルが必要なのか」,「自分の経歴で,はたしてやっていけるか」といった相談内容が多いのが特徴です。
次に,『只今,弁理士を目指して学習中』という段階の方々からの相談。特に目立つのが,「弁理士試験の学習中に,特許事務所に転職するのが良いのか」,「弁理士試験合格後に転職するのが良いのか」といった相談内容です。
そして最後に,『自分にあった特許事務所・企業を紹介して欲しい』という段階の方々,つまり実務経験者,有資格者からの相談です。この段階の方々からの相談については,転職という結論に至るまでに相当な準備期間と労力を要していると思われますので,こちらの対応も慎重にならざるを得ません。彼らはそれ相当の経験や実績を積み,既に一定水準のスキルを持ち合わせているわけですから,転職に慎重になるのは当たり前です。自身の能力を最大限に発揮できることは,本人にとっても新しい職場にとっても重要な必要条件なのですから。
このように,知財分野でも転職相談者によって,様々な段階が想定されるわけですが,実際の求人状況に目を向けてみますと,こちらも産業界の堅調さを反映してか,特許事務所や企業の知的財産部での様々な仕事内容に関する求人情報が,新聞・雑誌・インターネット上に溢れています。通常,採用側の要望として,保有資格や特定分野での実務経暦といった応募条件が明示されますが,求職者にとってそれ以前に重要かつ難しいのは,「どの求人先が,自分のキャリア形成に最もふさわしい特許事務所・企業なのか」を判断することではないでしょうか。知財分野でも,求人側のニーズと求職者側のニーズが多様化している今こそ,双方のニーズを理解し,最適な“出会い”を提供できるような第三者の役割が大きくなっています。そこに,我々の出番があると私は考えました。
実は,私も職業紹介会社を利用して,自分に適した特許事務所に就職しました。そこで参考までに,私が特許事務所へ就職した時の体験談をお話ししましょう。
私が特許事務所へ入所したのは,平成10年のことです。私の場合,弁理士試験の論文試験終了直後,結果が発表される前に就職活動を開始しました。勤めていた鉄鋼メーカーを退職してから1年以上経ち,無職の状態で弁理士試験に全精力を傾けていたことで,生活資金に余裕がありませんでした。その頃の知的財産関連の求人情報というと,弁理士試験指導機関のニューズレター,新聞広告,技術系職業紹介雑誌くらいにしか掲載されていません。就職活動を開始し,それら求人募集を丹念にチェックしてみたものの,やはり「どこへ応募するのが良いのか」皆目検討がつかずに困っていました。そのような状況で悩んでいる頃,登録をして希望を伝えておいた職業紹介会社から,実際に私が就職した特許事務所を紹介されたのです。
私の場合,実務経験が豊富な先生方から“直接指導”を受けられるような,比較的小規模な事務所へ就職することを希望していました。紹介を受けた特許事務所は,所員数が十数名の精鋭主義の事務所でした。面接の時,所長は自分の事務所のことを「他の特許事務所では扱えないような,技術的に難しい案件を扱うのが特色」と説明してくれました。所長や他の先生方の人柄も大変良く,実際に会って話してみて,初めて「この事務所に入りたい」という強い気持ちが涌いてきました。
入所すると,先生方の専門家としてのスキルには度々驚かされました。例えば,所長からは,特許明細書をパソコンに打ち込むのではなく,「発明内容をマイクで話して,レコーダーに録音する」という作成方法を叩き込まれました。ご存じない方も多いかもしれませんが,この方法はパソコンに入力する場合と比べて効率が良いだけではなく,明細書の作成スキルや品質の向上にも繋がるのです。また,発明者とのコミュニケーションの方法についても,複数の先生方から色々と指導いただきました。こうした密度の濃い当時の経験は,今の私の支えになっています。職業紹介会社を利用しなかったならば,自力でそのような職場と出会うことはできなかったかもしれません。
「就職とは,生涯の目標となる先輩方に出会うための場であり,単なる仕事探しではない。」と,私は様々な人との出会いを通じて,身を持って体験したわけです。
幅広い業界で「知財人材を育成する」という政策的な視点,または「知財人材を流動化させる」という意味においても,特許業界に精通した職業紹介会社が,今後重要な存在になることは,私自身の経験から痛切に感じています。「人材育成」とひと口で言っても,最も大切なのは人との出会い,指導者としての良い先輩との出会いでしょう。今度は私が多くの方の力になる番だと,職業紹介事業を始めるにあたりその思いを新たにしています。
私が特許業界に入り,もう8年になります。順調に業績を伸ばしてきた事務所,見識ある所長のいる事務所など,我々は皆さんへ自信を持ってお薦めできる特許事務所との連携を8年間かけて築き上げてきました。また,現在は,特許事務所だけではなく,企業の知的財産部をはじめ,皆さんが活躍できる場を新たに紹介できるよう,情報収集に努めている最中です。皆さんからEメールでいただいた「特許キャリア相談」のゴールとして,知財に関わる仕事の紹介を,今後積極的に行っていきたいと思います。
[2006/03/30] 知財ナビより転載
【第3回】特許業界も女性パワーが台頭 意欲的な女性から寄せられる,多数の相談
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