特許出願前に発明の内容を学会等で発表すると、守秘義務を持たない人が、その発明について知ることになります。すると、たとえ発明者が自ら発表したとしても、その発明はもはや新規性を喪失したとして、原則として特許を受けることができなくなります。
しかし、それではあまりにも発明者や出願人に酷なので、特許法、実用新案法及び意匠法では救済規定として新規性喪失の例外の規定というものがあります。出願の際にこの新規性喪失の例外の規定の適用を申請し、適用の要件が満たされていれば、発表した発明は、その出願については新規性を喪失していないとして取り扱われます。
この要件とは、以下に示すものです。
(1)特許を受ける権利を有する者が発表したこと
(2)以下に示すもののいずれかにおいて発表したこと
・刊行物
・インターネット
・特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会(文書をもって発表したこと)
・政府等が開設する博覧会または政府等以外の者が開設する博覧会であって特許庁長官が指定するもの
・パリ条約同盟国またはWTO加盟国の領域内で政府等またはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会
・パリ条約同盟国またはWTO加盟国のいずれにも該当しない国の領域内で政府等またはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会であって特許庁長官が指定するもの
(3)発表した日から6月以内に出願したこと
(4)新規性の喪失の例外の適用を受けたい旨を記載した書面を出願と同時に提出したこと
(5)発表した発明が新規性の喪失を受けられるものであることを証明する書面を出願の日から30日以内に提出したこと